地震保険

地震保険料控除と保険料はどこに支払われるのかについて

「地震保険は損害保険料控除の対象になる」

地震災害に対する備えに係る自助努力を支援するための制度で、所得税が最高5万円、住民税が最高2万5千円を総所得金額等から控除できます。

つまり、地震保険で支払った保険料を課税所得からさしい引いて(控除)、実際に税率のかかる所得額を下げることが出来る制度です。 (保険料が戻ってくるわけではありません)。

年々地震保険は必要な保険と認知度は上がっておりますが、保険料が高めであることが加入へのハードルを上げているようです。

ここで、この地震保険料を損害保険料控除と併せて考えてみると、地震保険に加入することで、支払う税金が下がることになります。加えて、また地震保険を5年一時払いでご契約いただくと、長期契約の割引の恩恵も受けられますので、1年あたりの地震保険料は下がります。長期のご契約でも支払いいただいた保険料は5回に分け毎年控除を受けることも出きるので、全体的にコスト安につながるのではないでしょうか。

この制度は平成18年の税制改正により誕生しました。それ以前は火災保険や傷害保険が控除の対象でしたが、地震保険料控除制度はこれに変わるものです。

控除証明

毎年10月頃から生命保険や損害保険の控除証明書が各保険会社からハガキなどで送付されます。地震保険の控除証明書も大半この時期に郵送されるのですが、2点ほどご注意が必要となりますのでご案内いたします。

1つ目はご契約頂いたその年の控除証明書は送られてくる保険証券に同封されていることが多いのです。なかなか届かないとご心配になられた方は、一度保険証券をご確認ください。証券の右側や下の部分に切離せるような形で確認いただける場合があります。ご契約の地震保険が長期契約の場合、2年度目以降はハガキでの案内となります。二つ目は、控除証明はその年にお支払いいただいた地震保険料について発行されます。

現在の火災保険は保険の開始月の翌月に保険料を口座振替、クレカ払・コンビニ払等でお支払い頂く事がありますので、加入年度にお支払が無く発行されないこともありますのでご注意ください。また紛失等の場合は再発行も承りますので、担当代理店または保険会社へお問い合わせください。

地震保険料はどこに

高いと言われる地震保険料、さぞ保険会社は利益が出ているのでは・・・。

火災保険と併せて地震保険をお考え中の皆様より寄せられるご質問です。私も保険の代理店をしていなければ同じように思うかもしれません。実際保険会社はこの地震保険料からは利益を得ることはありません。

少々大雑把かもしれませんが、お預かりした保険料はほぼ全て地震の損害補てんに備え貯めておかれます。管理は民間の日本地震再保険株式会社と日本政府です。代理店や民間保険会社は地震保険を案内し、手続きし、集金し、お支払の手続をするにすぎません。そもそも「地震保険に関する法律」の第一に「地震等による被災者の生活安定に寄与することを目的とする」となっているのです。そのための保険なのです。

私事の話になりますが少し書かせてください。東日本大震災発生時、私は東京の立川市におりました。お客様と火災保険と地震保険をお話ししているまさにそのタイミングで地震は起きました。

ビルの大きな窓が波打ち、近くのパソコンがバタバタ倒れ、書庫から書類が飛び出していました。近くの立川駅からはサイレンが鳴り響いていました。

その日、幸いにも無事に帰宅した深夜、自宅のテレビで震源地の東北であのような被害が出ているのを初めて知りました。津波の破壊力は衝撃的で、新幹線なら数時間で到着する同じ日本国内で起きていることとは信じられませんでした。

この震災での地震保険による保険金支払は発生後1年間で件数約76万5000件、保険金は1兆2200億円が支払われました。この対応の速さや支払い後破綻することなく余力を残している体制に、世界中から高く評価されたとのことです。

地震保険は保険料の高さや、その割に補償金額に条件がもうけられ、災害時には失った財産を完全に戻すことは出来ないことから評価が分かれる保険かも知れません。しかしながら多くの物を失った中で、それでも次のステップを1歩踏み出すための手助けとなる保険ではないでしょうか。

お電話で火災保険の資料請求・お問い合わせはこちら【通話無料】募集代理店:アイ・エフ・クリエイト0120-183-183【受付時間】9:30~18:00(年末年始、日曜、祝日は除く)

この記事を書いた人

久保勝裕(株式会社アイ・エフ・クリエイト 保険コンサルタント)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)