火災保険の基礎知識

【火災保険】建物の構造級別判定について

構造級別

火災保険を検討する中で、建物の構造級別を確認する必要があります。M構造・T構造・H構造などです(以前はABCD構造に分かれていました。)。この級別判定が保険料に大きく影響します。

住宅用火災保険では建物の造りで大きく3つの構造級別に分類します(一部例外もあります)。M構造(マンション構造)=鉄筋コンクリート造等の共同住宅/T構造(耐火構造)=コンクリート造、鉄骨造、などで共同住宅ではない建物(注)木造建物でも耐火建築物、準耐火建築物、省令耐火構造の建物はT構造になります。/H構造(非耐火構造)=M構造、T構造に該当しない一般的な木造建物など。

耐火建築物 準耐火建築物 

保険の対象となる物件は、ほぼこの3つに分類されるのですが、なかには構造判定がスムーズにいかない物件があります。木造でもT構造に該当する建物がそれに当たります。

T構造に該当する木造建物の判別方法として建築業者(販売担当者)に確認する。と言うのもありますが、ここでは建築時に作成されます「建築確認申請書」という書類で判別する方法をご案内いたします。建築確認申請書とは、建物を建てる場合、その建物が建築基準法・条例等に適合しているかを確認する必要があり、その確認のために建築主が役所や民間の指定確認検査機関に提出する書類のことを言います。

見た目の特徴として、4サイズの書類で十数枚綴りの構成。書類上部に一面、二面・・五面と書かれていて建築に関する様々な情報が記載されています。構造判定に必要な記載箇所ですが、書類の第四面に「耐火建築物等」の欄があり、に次のような記載があるかで判別します。『準耐火、耐火、イー1、イー2』この記載があればT構造となります。

省令準耐火

「建築確認申請書」第四面の「耐火建築物等」の記載が『その他』の場合はH構造の可能が高くなります。しかし、『その他』の表記でもまだT構造に該当する場合があります。ややこしい話ですが、まだ省令準耐火構造の可能性が残っています。それではこれはどう判断するのでしょう。

同じく建築確認申請書第四面の「構造」欄に木造(枠組壁工法)と記載がありますと、または記載が無くとも建物の工法がツーバイフォー(2×4)やツーバイシックス(2×6)の場合、このような建物は省令準耐火構造に合致する可能性が高い建物となります。(在来工法でも省令準耐火の可能性はあります)。

しかし、この建築確認申請書には省令準耐火構造(省令準耐火仕様)等の表記はなく、省令準耐火の可能性が高い、までの判断となります。その可能性をもとに、設計図面や販売チラシなどに省令準耐火の記載があるかを確認していただくことになります。

こう考えますと、省令準耐火構造に関しては、建築業者様に確認していただくのが間違いないかもしれません。※省令準耐火構造とは、昭和57年5月の住宅金融公庫法改正によって定められた建物。(当初は「省令簡易耐火構造」、平成5年6月より「省令準耐火構造」となりました。

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この記事を書いた人

久保勝裕(株式会社アイ・エフ・クリエイト 保険コンサルタント)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)