火災保険の補償範囲
【火災保険の補償】風災リスクについて
風災は「風災・ひょう災・雪災」を自然災害の1つとしています。ご加入の際に「風災だけ」などのタイプ選択はできません。
風災(台風・旋風・竜巻・暴風等をいい、洪水、高潮等を除きます)
台風や、突風などによる損害が補償の対象です。台風は毎年のように日本を横断し、甚大な被害をもたらします。気象情報等である程度事前に損害対策は出来るとはいえ、最大瞬間風速○○㍍の直撃に全てが耐えられるわけではありません。
屋根や樋が壊れた。暴風で物が飛んできてガラスが割れた。このような被害は風災で対応します。また、竜巻も大きな被害をもたらします。気象庁の竜巻発生事例をみると、海上発生も含めてですが、ほぼ毎月発生報告が出ています。
竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する激しい渦巻きで、狭い範囲で突破的に発生することが多く、予測が難しい災害と言われています。威力もすさまじく、様々なものを巻き上げ、大きな爪痕を残します。遭遇する率は低いかもしれませんが、やはり風災の対策は重要です。
雹災 雹(ひょう)
ひょうは、積乱雲の中で発生します。積乱雲の中は上昇気流が強く、その中で小さな氷の粒がぶつかり合い大きな粒に成長、だんだん大きくなり上昇気流で支えきれずに落ちてきます。本来溶けて雨になるはずが解けきれずそのままおちてくる。これが雹(ひょう)です。
5mm以上を雹というようですが、時にはみかんやソフトボール級の大きさもあるとか。これが直撃するわけです。屋根やカーポートを突き破ったり、窓ガラスが割れたり、樋に損害が出たりすることが予想されます。寒い冬よりも春や秋に発生しやすいとのことです。
雪災
雪災は、豪雪によるその雪の重み、落下等で建物やカーポートに損害が出た。雪崩で家が押し流された。このような損害の場合に補償を受けられます。
※融雪水の漏入もしくは凍結、融雪洪水または除雪作業による事故は除かれます。(融雪洪水は水災補償を付帯していますと補償の対象となります。)
雪の重みで家1件つぶれる確率は低いかもしれませんが、樋や軒先、カーポートなどの事故頻度は数多く発生しているようです。関東圏でも1日のドカ雪でカーポートが雪の重みに耐えられず、柱が折れてしまい車を押し潰してしまうような事故が発生しました。このような事を考えると雪災補償も重要です。
自然災害が原因で考えられるその他の事故
「強風で家の一部が吹き飛び、お隣に損害を出した。このような時は時弁償するの?」
「大雪で積もった雪がお隣におちで、塀を壊してしまった。こんな時どうしたらいいの?」
どちらも自然災害による不可抗力な事故のため、賠償責任は生じません。(建物管理上重大な過失が無い場合を前提。) このような事故も想定し、被害に遭遇した際に対処できる火災保険選びを頂きたいです。
何かが飛んできた損害は「風災」で補償するの?
この場合、補償項目は2つ考えられます。「風災」と「建物外部からの飛来・落下・衝突」です。判断方法は、風が原因なら風災、人的要因が事故原因なら飛来・落下・衝突です。
「強風で建物に損害、そこから雨が吹込み室内に損害が出た場合は補償されますか?」
風災の補償範囲になります。雨だから水災では?と思われるかもしれませんが、原因が強風なので、風災です。ただし、窓を閉め忘れていたとか、換気口から横殴りの雨が入り込んできた。老朽化で壁に隙間から入り込んだ。などの場合は対象外となります。
参考
風の強さと吹き方(引用:気象庁予報用語 雨と風)
平均風速(m/s)おおよその時速 | 予報用語 | 災害発生状況やイメージ |
10~15 ~約50㎞/h | やや強い風 | 風に向かって歩きにくく、走行中の車は横風に流される感覚がある。樋などは揺れ始める。 |
15~20 ~約70㎞/h | 強い風 | 風に向かって歩けなくなり、転倒も。屋根瓦がはがれたり雨戸やシャツターが揺れる。 |
20~25 ~約90㎞/h | 非常に強い風 | 何かにつかまらないと立っていられない。飛来物がでてくる。車は通常速度での運転が困難。ビニールハウスのフィルム等は広範囲に破れる |
25~30 ~約110㎞/h おおよそ瞬間風速40(m/s) | 非常に強い風 | 何かにつかまらないと立っていられない。飛来物がでてくる。車は通常速度での運転が困難。ビニールハウスのフィルム等は広範囲に破れる |
30~35 ~約125㎞/h | 猛烈な風(特急列車並) | 屋外活動は極めて危険。樹木が倒れたり電柱や街灯で倒れるものも。外壁材が広範囲にわたり飛散、下地材が露出することも。走行中のトラックなどで横転することも。木造家屋に倒壊するケースや鉄骨構造物で変形する物も。 |
35~40 ~約140㎞/h おおよそ瞬間風速50(m/s) | 猛烈な風(特急列車並) | 屋外活動は極めて危険。樹木が倒れたり電柱や街灯で倒れるものも。外壁材が広範囲にわたり飛散、下地材が露出することも。走行中のトラックなどで横転することも。木造家屋に倒壊するケースや鉄骨構造物で変形する物も。 |
40~ 約140㎞/h~ おおよそ瞬間風速60(m/s)以上 | 猛烈な風(特急列車並) | 屋外活動は極めて危険。樹木が倒れたり電柱や街灯で倒れるものも。外壁材が広範囲にわたり飛散、下地材が露出することも。走行中のトラックなどで横転することも。木造家屋に倒壊するケースや鉄骨構造物で変形する物も。 |
平均風速は10分間の平均 瞬間風速は3秒間の平均です。風の吹き方は強弱に変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、時に3倍以上になることも。
以上風災リスクについてのお話でした。
どの補償項目で対応するかは、発生原因が何かで判断します。損害がどのような原因で生じたか、その原因が補償対象のものであれば保険が適用されるのです。
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この記事を書いた人
久保勝裕(株式会社アイ・エフ・クリエイト 保険コンサルタント)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)