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火災保険の基本補償について

更新日:

火災・落雷・破裂、爆発

火災保険で補償される損害に「火災・落雷・破裂、爆発」があります。火災保険のいちばん基本的な補償で、火災保険を検討される皆様もイメージの湧きやすい補償かと思います。

火災リスク

文字通り、火災事故により生じた損害を補償します。この火災には、ご自身による失火はもちろん、放火によるものや近隣からの延焼等も補償の対象となります。
ただし、免責事由に記載されている故意や重大な過失がある場合には、保険金をお支払いできません。また、地震を原因とする火災についても補償の対象外となります(地震火災費用保険金をお支払いする場合があります)ので(地震保険による補償)、ご注意ください。

建物火災の発生原因(2018年1月~12月)(全火災37,981件)

建物火災の発生原因のグラフ

総務省消防庁「平成30年(1月から12月)における火災の状況(確定値)」より

建物火災の発生原因を確認すると、「放火」、「放火の疑い」が一番大きな割合を占めています。また、グラフには出ていませんが、隣家からの延焼の危険もあります。「自分の家からは絶対に火事は起こさない!」と思われている方でも、自身ではケアできないリスクが潜んでいるため、火災保険に加入することで、自身の財産を守りましょう。

落雷リスク

落雷により、補償の対象となる建物が損壊してしまった場合や、家電製品等の家財が落雷による雷サージ(過電圧、過電流など)が原因で故障してしまった場合に補償の対象となります。
落雷の発生については、その年や気象条件、地域により異なります。統計的には、太平洋側では主に夏場によく発生し(北関東などは特に多い)、日本海側では主に冬場によく発生します(石川や新潟などは特に多い)。
火災保険を契約する際には、落雷事故は火災保険で補償の対象になることは理解していても、特に長期契約の場合では、時が経つと補償されることを忘れてしまい、火災事故に比べ保険金の請求漏れが多い補償です。落雷が多い地域に住んでいる方は、必ず、火災保険の補償対象になることを覚えておきましょう。

破裂、爆発リスク

破裂もしくは爆発とは、気体または蒸気の急激な膨張を伴う破壊またはその現象をいいます。
「ガス爆発」というとイメージが湧きやすいかと思います。
ガス管やガス栓から、何らかの原因でガスが漏れており、そこで火を使用してしまい、引火し誘爆してしまった際の損害を補償します。
ガス管以外にも、スプレー缶等に含まれる可燃性ガスに引火、誘爆した場合も含まれます。

新規でお申込みいただく火災保険の多くは「新価実損払」となっているため、上記のような損害があった場合、設定している保険金額を上限に、実際に修理に要した費用または再建築、再購入に要した費用が支払われます。
また、火災等により建物が全焼してしまった場合、保険会社によっては、再建築をしなくとも保険金額の全額をお支払いすることもできます。この規定については、保険会社によって異なるため、詳しい内容説明をご希望の際はご連絡ください。

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風災・雹(ひょう)災・雪災

近年、台風などによる自然災害が増えており、自然災害で被った損害も補償できる火災保険が、たびたびメディアでも取り上げられ注目されています。保険会社の事故件数を見ると、水災や風災などの自然災害の事故が他の補償項目と比べ圧倒的に多く、保険金支払額も高額になっています。
当ページでは、どのような自然災害の事故が補償の対象となり、どのように保険金が支払われるかをご説明します。

実際のデータで必要な備えを考えましょう!

保険金支払実績

〈2018年度個人用火災総合保険 保険金支払実績〉より

  • 平均支払額とは、2018年度に個人用火災総合保険でお支払いした保険金の支払額の平均額です。
  • ランキングには地震保険の保険金支払実績(事故件数、平均支払額)は含まれません。

風災リスク

風災とは、主に台風、旋風、竜巻、暴風等による損害をいいます。なお、洪水や高潮等は風災には含まれません。
具体的には、「台風による強風が原因で、屋根瓦が飛んで行ってしまった」、「暴風により、近隣の店舗の看板が飛来してきて、建物の外壁が損壊してしまった」などの風を原因とする事故が補償の対象となります。

雹(ひょう)災リスク

雹は、主に積乱雲から降る氷の塊または粒をいいます。雹を原因として建物等が破損することを雹災といいます。
具体的には、「落雹によりカーポートの屋根に穴が開いてしまった」などの事故が補償の対象となります。

雪災リスク

雪災とは、豪雪の場合におけるその雪の重み、落下等による事故または雪崩をいいます。融雪水の漏入もしくは凍結、融雪洪水または除雪作業による事故は雪災には該当しません。

風災・雹(ひょう)・雪災災補償を検討するうえで注意しなければならないのが、「保険金支払条件」「免責金額」です。
「新価実損払」の契約であれば、上記事故による損害が発生した場合、実際に修理に要した費用が保険金として支払われます。しかし、免責金額を設定している契約の場合は、損害額から免責金額を差し引いた金額が保険金として支払われるようになります。

免責金額:5万円を設定している火災保険契約において、台風による外壁の破損で修理に11万円を要した場合
『 支払保険金 = 11万円 - 5万円 = 6万円 』となります。

また、風災事故の場合、火災等の事故とは異なる保険金支払い条件となっている契約があります。
風災事故時の支払い条件が「一定額以上補償型」や「フランチャイズ型」となっている契約の場合、20万円以上の損害が発生しなければ補償の対象とはなりません。
この契約の場合、台風等で建物が損壊し修理を行った結果、修理費用(損害額)が「20万円」だった場合には「20万円」が保険金として支払われますが、修理費用(損害額)が「19万円」だった場合は、1円も支払われないこととなります。
この様な風災事故時の支払い条件が異なる契約は、10年以上前にご契約されている「住宅火災保険」、「住宅総合保険」に多く、最近、契約または更新した契約には少ないといえます。
増える自然災害の備えのため、充実した補償が望まれます。ご自身の火災保険契約に「免責が設定されていないか?」、「一定額以上補償型ではないか?」ということが気になる方は、保険証券をご用意の上、お問い合わせください。

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水災

近年、「ゲリラ豪雨」や「記録的短時間大雨情報」など水害に関するワードをニュースなどで、よく耳にするようになりました。また、「50年に一度の大雨」、「100年に一度の大雨」という表現も毎年のように報道されています。毎年、全国のどこかで大雨による河川の氾濫などによる水害が起こっています。

平成18年~平成27年水害(河川)の発生件数

水害(河川)の発生件数

出典:「水害発生時に起こる課題と対応の原則(H29.6」(内閣府)
(http://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/pdf/1706suigai_tebiki_1.pdf)を加工して作成

上図は平成18年から27年までの10年間の市区町村別の水害発生件数を表しています。市区町村単位とはなりますが、10年間のうち水害が0回だったのは、わずか49市区町村で2.8%でした。水害はどの地域でも起こる可能性があるという認識が必要です。

火災保険で補償の対象となる「水災」とは

火災保険で補償の対象となる水災とは、台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・雨を原因とする土砂崩れ・落石等となります。台風の損害であっても、風による損害は「風災」、水による損害は「水災」となります。
尚、水災補償には多くの場合、支払いに関する条件、浸水条件が設けられています。
「保険の対象の建物評価額の30%以上の損害が発生した場合、または床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を被った場合」といった条件がある場合は、条件を満たさなければ補償の対象とはなりません。

浸水条件

水災事故時の支払い条件 実損払と定率払

契約によっては保険金支払方法が定率払となっており、損害の割合に応じて、損害額に一定の割合(70%など)を乗じた金額を保険金として支払う方式もあります。
この様な水災事故時の支払い条件が異なる契約は、10年以上前にご契約されている「住宅火災保険」、「住宅総合保険」に多く、最近、契約または更新した契約には少ないといえます。
当然、実損払よりも定率払の方が保険料は安くなります。ただし、水災事故が発生した際に修理費用の満額が支払われないことを考慮しなければなりません。
水災補償を重視したい方は、自身の火災保険契約が実損払いとなっているかを保険証券等でご確認ください。

水災補償の必要性

火災保険を検討される方の中には、「ウチは水害にあったことが無いから、水災補償は必要ない」と考える方が多くいます。また、火災保険を案内するサイト等で、「水災補償を対象外にすることにより保険料を抑えられる」といった提案をしているものもあります。
確かに、補償を対象外にすれば、保険料は抑えられますが、補償されなくなっていることをしっかりと認識しなければなりません。
日本全国、水害は絶対にないという地域は無いため、水災を対象外にすることを検討される際には、各自治体で発表しているハザードマップや過去の災害等を参考に、本当にリスクが無いのかを確認の上、判断ください。

※記録的短時間大雨情報:
数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測したり、解析したりしたときに各気象台が発表します。その基準は、1時間雨量歴代1位、2位の記録を参考に、概ね予報区ごとに決めています。
※ハザードマップ:
発生の予測される自然災害について、その被害の及ぶ範囲、災害の程度、さらに避難の道筋、避難場所等を表した地図。災害予測図。災害の種類に応じた予測図を政府、各自治体が作り公開している。

2024年10月より水災等地区分が新設されました

水災等地区分とは

損害保険料算出機構が2023年6月に、金融庁に提出した火災保険参考純率の改定の届出の内、建物の所在地(市区町村単位)における水災リスクの危険度の区分を細分化したものです。

リスクが低い順から

[低] 1等地・2等地・3等地・4等地・5等地 [高]

となっており、災害の「起こりやすさ」だけでなく「想定される被害の程度」等も勘案して設定されています。2024年10月以降に保険始期を迎える契約においては、この水災等地に則って水災保険料が算出されます。保険料の水準としては、水災等地が低い方が保険料が安くなり、水災等地が高い方が保険料も高くなります。

なお、この水災等地は必ずしも洪水ハザードマップ等の一般リスクの情報と一致するわけではなく、また災害の起きやすさだけを示すものではありません。

保険会社によっては、損害保険料率算出機構の基準とは異なる独自の水災リスク基準を設けています。従い保険料も保険会社によって異なるため、より火災保険商品の比較が重要になります。

設置の背景

従来、風災などのリスクは地域ごとに細分化されており、それを基に保険料が算出されていましたが、水災料率に関しては充分なデータが得られなかったことなどから全国一律となっていました。 加えて、水災による損害が増加し、それに伴って火災保険料も値上げが続く中で、

  • 地域間の水災リスクの違いによる、保険料の公平化を図る必要がある
  • ハザードマップ等から、自身の水災リスクは低いと判断した契約者が、保険料削減を目的に水災補償をセットしない傾向があり、今後の水災保険料の値上げに繋がることで水災補償をセットできない人が出てしまう可能性がある。

これらの視点から、水災料率の見直しが検討されました。

どんなデータを基準に算出される?

水災リスクのうち、河川の氾濫等による「外水氾濫」は水災被害額の約6割、 下水処理が追いつかず水が溢れたことによる「内水氾濫」や「土砂災害」などが残りの約4割を占めます。 これらのリスクを地域別に判定するため、外水氾濫については「洪水浸水想定区域図(洪水ハザードマップ)」を、内水氾濫については「水害統計」「地形データ」など、水災の種別ごとに異なるデータが用いられています。

  • 「洪水浸水想定区域図(洪水ハザードマップ)」「水害統計」…国土交通省
  • 「地形データ」…国立研究開発法人防災科学技術研究所
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盗難

火災保険で補償される盗難補償とは、「盗難によって、保険の対象である建物または家財に盗取、損傷または汚損の損害が発生した場合」保険金を支払う旨明記されています。
つまり、実際に物は盗まれなくても(未遂であっても)、壊されたものや汚されたものがあった場合には、保険を適用することができます。盗難事故というと盗まれたもの(家財)に目が行きがちですが、保険金の請求については、壊されたものの請求も少なくありません。
例えば、空き巣犯が建物に侵入する際、窓ガラスやドアロックを壊して侵入してきます。当然、窓ガラスを修理するにもドアロックを交換するにも費用が必要になります。盗難補償のある火災保険では、盗まれたもの(家財が保険の対象)はもちろん、左記の様に壊された窓ガラスやドア(建物が保険の対象)に関する修理・修復費用も補償の対象になります。

家財の盗難事故において、保険会社ごとに現金や預貯金証書の盗難補償限度額の取り扱いが異なります。
具体的には、下記表のようになります。

各保険会社の盗難補償限度額の取り扱い

保険会社/商品 現金 預貯金証書
あいおいニッセイ同和タフ・すまいの保険 30 万円 300 万円
AIG損保ホームプロテクト総合保険 20 万円 200 万円
セコム損害保険セコム安心マイホーム保険 20 万円 200 万円
損保ジャパンTHE 住まいの保険 20 万円 200 万円
東京海上日動トータルアシスト住まいの保険 30 万円 500 万円
日新火災海上住宅安心保険 20 万円 200 万円
三井住友海上GK すまいの保険 30 万円 300 万円
  • 上記金額は、1回の事故につき1敷地内ごとの限度額となります。
  • 「預貯金証書」の補償限度額と家財の保険金額のいずれか低い方が限度となります。

また、現金や預貯金証書以外にも、高価な宝石等(明記物件)の取り扱いも保険会社によって異なります。明記物件の詳細については、「明記物件について」をご確認ください。

盗難事故が発生した場合、「防犯対策費用特約」(東京海上日動は、「火災・盗難時再発防止費用保障償特約」)がセットされている火災保険契約では、再発防止のために監視カメラの設置やセキュリティ装置など建物の改造や装置等の設置に要した費用が支払われます。
盗難事故に重きを置いて火災保険を比較検討している方は、事故時の支払限度額の差を、防犯対策費用特約がセットできる契約か否かなどを比較してみてはいかがでしょうか。

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水漏れ(水濡れ)

日常災害リスクの中の「水漏れまたは水濡れ」の補償は、給排水設備の破損や詰まり等により発生した漏水、放水、逸水を原因とする損害のことをいいます。
一般的には、漏水等が原因で床や壁を張り替えた際の費用を補償するもので、給排水管自体の破損については、特約や費用保険金がセットされていない場合は補償されません。
また、名称が似ているため、「水災」と「水漏れ(水濡れ)」を混同される方が多くいらっしゃいますが、「水災」は自然災害で「水漏れ(水濡れ)」は日常生活上の損害とご理解ください。

「水漏れ(水濡れ)」の補償については、戸建の火災保険を検討される方よりもマンションにかける保険を検討される方の方がより気にされている補償です。
ただ、この場合も「個人賠償責任保険」の補償と混同される方が多いため、説明させていただきます。
火災保険の基本補償である「水漏れ(水濡れ)」は、自身の財産を補償するので、漏水事故が発生した際に自身の専有部分の修理費用に対して保険金が支払われます。
自宅から水漏れを起こしてしまって、階下の住人宅に損害が生じてしまった際には、そこは自分の財産ではなく他人の財産を破損・汚損してしまっているため、個人賠償責任保険を適用します。
従い、自宅の漏水事故および階下への賠償を懸念されている方は、両方の補償をセットした保険の設計が必要になります。

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建物外部からの物体の落下・衝突等

この補償は、名称だけだとイメージが湧きにくいと思いますので、具体例をいくつかご案内いたします。

  •  通りから自動車が衝突してしまい、塀が損壊してしまった。
  •  隣接の公園で子供たちが遊んでいたサッカーボールが飛んできて、窓ガラスが割れてしまった。
  •  自宅前の電柱が老朽化で倒れてしまい、塀や外壁が損壊してしまった。 など

のケースについては、運転をしているのが他人であった場合、その運転者に対して修理費用を損害賠償請求できます。賠償金で修繕が可能なのであれば、火災保険を適用する必要はありません。しかし、当て逃げ等で運転者に対し損害賠償請求ができない場合には、火災保険で補償できます。
また、ご自身が運転をしている場合、自動車保険では自身の自宅に対して対物賠償は適用できないため、火災保険を適用します。ただし、契約時に注意が必要になりますが、被保険者が運転する自動車が自宅に衝突した場合、火災保険で対象になる保険と対象にならない保険があります。詳細につきましては、お問い合わせください。

およびの場合も、子供の親(保護者)や電柱を管理している電力会社や自治体等に損害賠償請求を行うことができるため、当該補償を適用することは、さほど多くはないでしょう。

補償対象外について

前述の通り、当該補償については、あまり必要性を感じない方もいらっしゃいますが、この補償項目のみを対象外としたくても、「盗難」や「水漏れ(水濡れ)」補償とセットになっている保険商品が多いため、外せないことがあります。
当該補償のみ対象外にできる保険商品もありますが、リスクが低い分、自然災害の風災や水災と比較すると全保険料に占めるウェイトが小さいため、補償を対象外にしてもそれほど保険料は安くはなりません。

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破損、汚損等(不測かつ突発的事故)

この補償は、「火災・落雷・破裂、爆発」、「風災・雹(ひょう)災・雪災」、「水災」、「盗難」、「水漏れ(水濡れ)」、「建物外部からの物体の落下、衝突等」、「騒じょう等」以外の偶然かつ突発的な外来の事故によって生じた損害が補償の対象になります。
とはいえ、イメージが湧きづらいと思いますので、具体例を紹介いたします。

  •  部屋の模様替えをしている際、家具を移動しているときに、うっかりタンスを壁にぶつけて穴が開いてしまった。
  •  子供たちが室内で遊んでおり、勢い余ってトビラにぶつかり、トビラのガラスが割れてしまった。
  •  窓ガラスが太陽光の熱で割れてしまった。

①の様な事故の場合の注意

火災保険の共通免責に「保険の対象の通常発生しうる擦り傷、かき傷、塗料のはがれ落ち、ゆがみ、たわみ、へこみ、落書き等外観上の損傷または汚損であって、保険の対象が有する機能の喪失または低下を伴わない損害」という条項があるため、ちょっとした傷では補償の対象にならないことがあります。

②の様な事故の場合の注意

当該補償には、ほとんどの保険会社において免責金額が設定されます。損害額(修理費用)が設定している免責金額を超えない場合、保険適用はできません。
また、超える場合であっても、免責金額が差し引かれ保険金が支払われます。

  • 修理費用(損害額)が5,000円で、10,000円の免責金額設定されている場合:
    保険適用できません。
  • 修理費用(損害額)が30,000円で、10,000円の免責金額設定されている場合:
    差引き20,000円が支払われます。

③の様な事故の場合の注意

窓ガラスの熱割れなどの事故の場合、事故が発生した理由や状況、建物の設計などを考慮するため、その事故ごとに保険金支払いの取り扱いが異なってきます。

  • 補償されない
  • 初めての事故は補償の対象になるが、複数回同じ箇所同じ理由で損害が生じた場合、2回目以降は対象にならない
  • 複数回生じても補償される

火災保険の共通免責に「自然発熱」、「補償の対象の欠陥」といった条項があるため、この条項に該当するか否かが保険金支払いの争点となります。一概に保険適用できるか否かが判断つかない事故といえるでしょう。

当該補償固有の免責について

破損、汚損等については、火災事故などとは別に固有の免責条項があります。具体的例をいくつか紹介します。

  • 差押え、収用、没収等の公権力の行使
  • 保険の対象に対する修理、調整等の作業中における作業場の過失
  • 電球、ブラウン管等の管球類に生じた単独損害
  • 楽器の弦の切断または打楽器の打皮の破損
  • 眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、義歯、義肢に発生した損害
  • 携帯電話、PHS、スマートフォン、ポケベル、ポータブルナビゲーション等の携帯式通信機器およびこれらの付属品に生じた損害
  • 自転車、原動機付き自転車に生じた損害
  • など
  • 上記はあくまで一例であり、保険会社ごとに異なるため、詳細はお問い合わせください。
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各種費用保険金について

火災事故などが生じた際に、建物の修復(再建築)以外にも様々な費用がかかります。それら修復以外にかかる費用に対して支払われるのが費用保険金となります。
火災保険の基本補償は同じであっても、費用保険金は各保険会社によって異なってきます。当然、A社にはあるがB社には無いといったことがあるので、保険比較をする際は、単に基本補償と保険料だけではなく、費用保険金の違いについても注目しなければなりません。

費用保険金の一例と内容

費用保険金名称 内容説明
臨時費用保険金
(事故時諸費用、災害時諸費用)
損害保険金が支払われる場合、損害保険金に一定割合を乗じた費用保険金が支払われます。
割合と限度額は保険会社によって異なります。
残存物取片付け費用 損害を受けた保険の対象の残存物の取片付けに必要な費用に対して支払われます。
実費で払われますが限度額は保険会社により異なります。
仮住まい費用保険金 保険の対象の建物に損害が生じた為、代替として臨時に使用する居住施設、宿泊施設の賃料または宿泊料等。(東京海上日動は、臨時費用補償特約で対応) 実費
修理付帯費用 原因調査に関する費用や仮修理費用。 実費
失火見舞費用 保険の対象から発生した火災、破裂・爆発により第三者の所有物を滅失、破損または汚損した場合の見舞金費用が支払われます。世帯ごとの見舞金及び限度額は保険会社により異なります。
地震火災費用 地震を原因とする火災が発生し、保険の対象の建物が半焼以上した場合。
通常、保険金額の5%(300万円限度) 割合を上乗せすることができる保険もあります。
損害防止費用 消火器の使用など、損害の発生または拡大防止に有益な所定費用。 実費
特別費用保険金 保険の対象の建物が全焼または全損壊し、保険契約が終了する場合。
割合と限度額は保険会社によって異なります。
  • 保険会社により、同様の内容であっても費用保険金の名称が異なっていたり、支払われる金額が異なったりする場合があります。

費用保険金の中には、自動セットのものと対象外にできるものがあります。
組み合わせを考慮し、必要な補償をセットするようにしましょう。

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